【和訳】Radiohead – Electioneering

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歌詞&和訳

[Verse 1]
I will stop, I will stop at nothing

やめる気はない、何があろうとやめる気はない
Say the right things when electioneering

選挙期間中は正しいことを言う
I trust I can rely on your vote

皆様方の投票に頼れるものと信じています

[Chorus]
When I go forwards

僕が前に進むと
You go backwards

君は後ろに下がる
And somewhere we will meet

そして僕らはどこかで出会うんだ
When I go forwards

僕が前に進むと
You go backwards

君は後ろに下がる
And somewhere we will meet

そして僕らはどこかで出会うんだ

Ha ha ha

[Verse 2]
Riot shields, voodoo economics, your turn, your turn

暴動の盾、ブードゥー経済学、君の番だ、君の番だ
It’s just business, cattle prods and the I.M.F

ただのビジネスだ、牛追い棒に国際通貨基金
I trust I can rely on your vote

皆様方の投票に頼れるものと信じています

[Chorus]
When I go forwards

僕が前に進むと
You go backwards

君は後ろに下がる
And somewhere we will meet

そして僕らはどこかで出会うんだ
When I go forwards

僕が前に進むと
You go backwards

君は後ろに下がる
And somewhere we will meet

そして僕らはどこかで出会うんだ

和訳リンク

曲情報

 「イレクショニアリング」は1997年にリリースされたイギリスのロックバンド、レディオヘッドの3枚目のスタジオアルバム『OK Computer』に収録された曲。

インタビュー情報

「その多くは不満に関するものだよ」とレディオヘッドのリードシンガー、トム・ヨークは説明する。彼の綺麗なブロンドの髪は刈り上げられ、ダークブラウンに染められているが、歌詞の一節にあるように「より健康で、より幸せで、より生産的」に見える。「テレビをつけると、アイロンや冷蔵庫が目に飛び込んでくる。保守党議員の選挙活動を眺めていたら、誰かが彼に卵を投げつけ大歓声が上がったけど、これは何度も見たことがあるような気がした」

ヨークは残っている髪の毛を引っ張る。「経済学。あれは僕を魅了するよ。経済学は20世紀最大の神話だ。見出しを見て無力感を感じる人はたくさんいる。『イレクショニアリング』(アルバムの曲の一つ)は暴動を扇動する曲だ」
タイムズ紙、1997年6月13日

エド:この間の夜、トムといつかは大学に戻ろうと話していたんだ。彼は政治にすごく興味があるみたいで、その……彼は時々、ツアーをまわって、握手したり、人に会ったり、挨拶したり……選挙の時期に政治家が演説をしたりするのと似たようなものを感じるよ。
NPR、1997年8月25日

エドはこの曲をレディオヘッドの宣伝マシンの観点から説明している:「アルバムのプロモーションが長期間に及ぶと、例えばアメリカでは、ジャーナリストやレコード会社の人に会うために何週間も街から街へと飛び回ることになる。しばらくすると、一日中赤ちゃんにキスしたり、握手しなければならない政治家になったような気分になる。」
unknown

「イレクショニアリング」
大きくて、怖くて、焼けつくようなロックの曲。トニー・ブレアと彼の『英国の新しい夜明け』などとは何の関係もない。
エド:基本的には、外に出て行って、自分を売り込み、自分のレコードを売らなければならないときのことだよ。とてもクールな人たちにも会えるけど、ムカついていたり疲れていたりすると、自分が巨大なプロパガンダ・マシーンのように感じて、赤ちゃんにキスしたり、握手したり……政治家になったような気分になる。
ジョニー:僕らは政治的なバンドじゃないけど、僕らはみんな政治的な人間なんだ。僕が覚えている最初のことの一つは、マーガレット・サッチャーが政権を握ったことだ。だから、それが変わったという事実だけで十分な啓示だよ。僕らはとんでもない経験をした。その夜はどんちゃん騒ぎをしたよ。
エド:ブレアを一目見ようとダウニング街に繰り出す人々は奇妙だった。間違いなく彼は最初のポップスター首相だ。
コリン:「最初のニュー・グレイブ首相」と言った方がいい。彼は「ニュー・シリアスネス」だ。
フィル:そうなると、僕らはどうなるんだ?おそらく僕らはニュー・グレイブの労働党だ。ニュー・レディオヘッド、ニュー・デンジャー!」

重要な歌詞:僕が前に進めば君は後ろへ、そして僕らはどこかで出会う…
トム:これは解放についてだ、これは葬送歌の枠を超えることについてのものだって、みんないい加減なことを言うけど、もう笑っちゃうよね。一方で、皆様方の投票に頼れるものと信じていますよ。
メロディーメーカー、1997年5月31日

解釈

When I go forwards
僕が前に進むと
You go backwards

君は後ろに下がる
And somewhere we will meet

そして僕らはどこかで出会うんだ

 「僕が前に進むと / 君は後ろに下がる」という部分は、政治家が権力を拡大すると、反対に民衆は政治をコントロールする力を失うという意味に解釈できる。

 「どこかで出会う」という部分はトリクルダウン理論のことについて言っているという海外の人の意見があった。

 トリクルダウンとは浸透を意味する英語で、トリクルダウン理論とは「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化し、それによって低所得の貧困者にもお金が流れ(浸透し)、利益が再分配される」と主張する経済理論である。これがイギリスのサッチャー政権や日本、その他世界各国で受け入れられ、富裕層に対する大幅な減税と、多額の政府支出の支援が行われたが、実際には、貧困層は国家の経済が回復しても賃金は上がらず、貧困のまま豊かさを実感できないという問題に直面した。

 「どこかで出会う」とは、このトリクルダウン理論の青写真が実現された際の富裕層と貧困層、両者の繁栄を言っているという説である。

It’s just business, cattle prods and the I.M.F
ただのビジネスだ、牛追い棒に国際通貨基金

 グローバリゼーションや自由市場貿易などの改革を促進する法律の施行と引き換えに、貧しい国々に資金を提供する開発銀行であるIMF(国際通貨基金)に対して、自由市場化は貧しい国を企業の略奪にさらすやり方だとトムは批判している。しかし、バンドはこの曲をもう好きじゃないとコメントしており、その理由は明かされていないが、おそらくこのIMF批判の歌詞のせいであると思われる。つまり、IMFに対する議論はあるものの、この銀行は汚職と闘い、民主主義を強化するなどの改革を各国に実行させており、IMFが何らかの形で悪であるという議論は世間知らずであることを意味するからである。いずれにせよ、トムはもうこの話題を持ち出すつもりはないようだ。

 ちなみに「牛追い棒」を持つのはIMFであり、追われる牛は融資を受けた貧困国である。