【曲解説】Radiohead – Airbag

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曲情報

「エアバッグ」は1997年にリリースされたイギリスのロックバンド、レディオヘッドの3枚目のスタジオアルバム『OKコンピューター』に収録された曲。

「エアバッグが俺の命を救った」は、トムの自宅に届いたAA(「自動車協会」、英国の自動車路上回収会社)の雑誌で読んだ見出しだった。しかし、このタイトルは、Indeepの1983年のディスコヒット曲「Last Night a DJ Saved My Life」への皮肉なトリビュートでもある。
 トムによれば、この曲自体は、もう少しで重大な事故になっていたと気づいたときに感じる感情と、その後の感情の高ぶりを歌ったものだという。これは、トムが若い頃にガールフレンドと自動車事故に巻き込まれた際の、トムの自動車に対する感情(「Stupid Car」「Killer Car」…)にインスパイアされたものだという。

インタビュー情報

「エアバッグ」
元々のタイトルは「Last Night an Airbag Saved my Life」で、Indeepの1983年のディスコヒット曲「Last Night a DJ Saved My Life」への典型的な冗談っぽいトリビュートで、このアルバムは陰鬱で閉所恐怖症的な始まりになっているね。
コリン:『The Bends』の「Planet Telex」のようなものにしたかったんだ。アルバムの他の部分とはまったく似ていないスタートだ。かなりダンスミュージック的だったんだ。フィルが「drum ‘n’ bass nights」に参加していたからだ。
フィル:言っただろ、これはラインダンス・イブニングだと思っているって!実はこれにインスピレーションを与えたのはDJ Shadowだった。彼のビートの刻み方は素晴らしいね。最終的な完成形は、僕たちが目指していたものとはまったく違うけど、でもたぶんそれで良かったんだ
エド:これは、重大な事故に遭わなかったときに感じる、素晴らしくポジティブな感情についての曲だね。誰かを恋しく思って、どれほど近くにいたかに気づき、車を止めて、この信じられないほどの高揚感をただ感じたときのことだよ。そこには何か喜びがある – 人生が突然貴重なものに思えるというような。
主な歌詞:「折れ曲がった大型トラックの中で、俺は生まれ変わる。」
トム:「エアバッグは自然に作動する」と研究者たちは主張している。僕はこれをクールな見解だと思ってる、そう思わない?メルセデスで運転してみてくれよ。
コリン:それらは実際に非常に危険なものだよ。エアバッグが人を殺す可能性もある。
エド:エアバッグについて君に何が分かる?君は運転もできないのに!

メロディーメーカー、1997年5月31日

トム:飛行機が体に与える影響にはうんざりしているんだ。脳が縮むと確信しているよ(笑)

Q:でも、バスなら生き残れる?

トム:でも、揺れるたびに棺桶の中で眠っているような気分になるんだ。昨夜は眠っていて崖から落ちても目を覚まさないような光景を思い浮かべていたよ。

Q:『OK Computer』の「Airbag」はそんな感覚を歌っているの?

トム:うーん、「Airbag」は、道路に出るときはいつでも殺されるかもしれないという考えについての曲なんだ。どの時代にもクレイジーな特異性や、クレイジーな二重思考がある。僕らの時代にとってそれは車だと思う。いつもそのことばかりにこだわっていると、もうやめてって言われるけど、車に乗るたびに、もう二度と外に出られないかもしれないと自分に言い聞かせているんだ。もしくは降りられても二度と歩けないかもしれないって。

Q:それはとても、あー、鋭い危機意識だね。

トム:心配性から来るものだと思う。でも「Airbag」は、僕や僕らの多くが育ってきた環境では、自分の死について考える時間が与えられないということも描いているんだ。実際、人がすることはすべて、その恐怖を不死というアイデアで相殺しようとすることから生じている。特に僕がやっていることはそうだ。もしあなたがポップスターなら、あなたがやろうとしていることは不死を求めることだ。少なくともお決まりのフレーズはそうなる。でも、あなたは常に交通事故で命を落とす危険にさらされている。(ニヤッ)素晴らしいね!

Qマガジン1997年10月号

これは機械への恐怖を描いた曲で、すごく曖昧な立場にある。ラッダイト(機械打ち壊し運動支持者)のための曲でもあるけど、同時にすごく希望に満ちてる。つまり、俺たちは怖がってないってこと。ネオンサインの中でさえ、人生は続いていく。

Vox、1997年7月、トム・ヨークによる『OKコンピューター』の曲ごとのガイドより

歌詞の意味

jackknifed juggernautとは?

日本版CD付属の和訳ではjackknifed juggernautを「予期せぬ大災害」と訳しているが、これは「折れ曲がった大型トラック」のこと。jackknifedはアメリカ英語では使われないが、イギリスでは事故の際にマスメディアの報道でも使われる単語である。

ケンブリッジ英英辞典のjuggernautの項目

定義は「とても大きな、重いトラック」。

juggernautはイギリスで使われる俗語。

ちなみにトラックとトレーラーの違いは、トレーラーが連結された荷物を積める部分に自走する機構を持っていないのに対し、トラックは1つのまとまりとして自走する機構を持っているという違いがある。

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