【和訳】Radiohead – Sulk

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歌詞&和訳

You bite through the big wall, the big wall bites back
大きな壁に噛みつくと、大きな壁から噛み返される
You just sit there and sulk, sit there and bawl

おまえはただそこに座って不機嫌になって吠える

You are so pretty when you’re on your knees
跪いているときのおまえはとてもかわいい
Disinfected, eager to please

消毒されていて、人を楽しませるのに一生懸命な姿をしている

Sometimes you sulk, sometimes you burn
時にはすねて、時には激情に燃える
God rest your soul

おまえの魂に安らぎが訪れますように
When the loving comes and we’ve already gone

愛がやって来ても、私たちがすでに去ってしまっているなら
Just like your dad, you’ll never change

おまえの父親がそうだったように、おまえは決して変わらない

Each time it comes it eats me alive
そいつが来る度に、そいつは生きたまま俺を食べる
I try to behave but it eats me alive

俺は行儀良くしようとするが、それでも生きたまま食べられてしまう

So I declare a holiday
だから宣言する、休日だ
Fall asleep, drift away

眠りに落ちて、流れ出そう

Sometimes you sulk, sometimes you burn
時にはすねて、時には怒る
God rest your soul

おまえの魂に安らぎが訪れますように
When the loving comes and we’ve already gone

愛がやって来ても、私たちがすでに去ってしまっているなら
Just like your dad, you’ll never change

おまえの父親がそうだったように、おまえは決して変わらない

和訳リンク

曲情報

 「サルク」はレディオヘッド2枚目のスタジオアルバム『ザ・ベンズ』に収録されている曲。『ザ・ベンズ』の曲の中でバンドが最も嫌いになった曲であるため、ライブでもほとんど演奏されなかった。

解釈

 この曲はハンガーフォード虐殺(Hungerford massacre)に触発されて書かれた曲。

 「跪いて、消毒されていて、喜ばせたいと熱望している時、あなたはとても可愛い」の部分は、加害者であるマイケル・ロバート・ライアン(Michael Robert Ryan)が銃を突きつけた際に、跪き、命乞いをした被害者のことを言っているのかもしれない。

 ライアンは大学構内に立てこもり、自害する前の警察とのやりとりで”I wish I had stayed in bed”(「家で寝てればよかった」)と言い、その後、”It’s funny. I killed all those people, but I haven’t the guts to blow my own brains out.”(「おかしい。俺はあいつらみんなを殺したのに、自分の頭を吹っ飛ばす根性がない」)と言った数分後に自害した。

 ライアンのこういう部分が「時にはすねて、時には燃える」という歌詞になったのかもしれない。

When the loving comes and we’ve already gone
愛がやって来ても、私たちがすでに去ってしまっているなら
Just like your dad, you’ll never change
父親と同じように、あなたは決して変わらない

 ライアンの父親は建築検査官として地方政府機関に勤務し、この事件の2年前に80歳で癌で他界していた。

 ”we’ve already gone”は「被害者たちが逝った」ときのことだろうか。

 ”When the loving comes”の部分は、それまで16人を射殺してまともな精神状態じゃないライアンが、「家で寝てればよかった」とか「自分の頭を撃てない」と普通の人間の感覚に戻った状態のことかもしれない。

 BBCが制作したこの事件のドキュメンタリー番組に出演した心理学者は、ライアンがどのように「怒りと普通の生活に対する軽蔑」を持っていたかを説明したらしい。

 トムがこの番組を見たなら先程の”Just like your dad, you’ll never change”はこれにつながる。

 普通の人生を送ることへの軽蔑を持っている人間にとって「父親がそうだったように、お前も決して変わらない」なんて言葉は酷く侮辱的な言葉だろう。

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